大規模災害時外国人支援訓練を実施しました!

公開日 2022.03.22

更新日 2022.03.22

公益財団法人 徳島県国際交流協会では、徳島県ダイバーシティ推進課との共催で、11月18日(木)、Web会議システム(Zoom)により、大規模災害時外国人支援訓練を実施しました。当日は、外国人支援機関・団体等、約50人が参加しました。

前半は、一般財団法人 熊本市国際交流振興事業団の八木浩光事務局長による講演、後半は、八木氏のご指導によりワークを実施しました。

「災害時の外国人支援と平時の災害に強い多文化共生の地域づくり~平成28年の熊本地震と令和2年の豪雨災害の教訓~」と題した講演では、「災害時に外国人が抱える課題」、「外国人被災者支援活動の状況」、「災害に強い多文化共生社会づくり」について、熊本地震と豪雨災害という、二つの大災害の際に、実際に外国人の支援に携わった経験をもとに、お話しいただきました。

その一部を以下に紹介します。

●命や安全に係る情報は、全ての人が理解し、安心して安全な行動ができるように伝えなければならない。

●外国人被災者が安全に安心して生活ができるように、平時における信頼関係づくりが大切である。

●本地震の教訓については、

  • いかに備えをしておくかが非常に重要。(例えば飲料水と食料など)
  • 近隣の人(まさかの時に助けとなる人)との普段からの関係づくりが大事である。
  • 命に関わる情報を、いかに外国人に伝えられるか。
  • 外国人といっても弱い立場の人ばかりでなく、他の被災者を支援する立場になれる人もいる。(弱い人の立場に立って行動できる外国人)

続いてワークでは、地域の外国人の状況やニーズの分析を基に、「災害に強い多文化共生の地域づくり」について参加者に考えていただきました。また、私たちが日常使っている日本語でも、外国人にとっては理解が難しい言葉のやさしい日本語への書き換えについて考えていただいたほか、災害時のやさしい英語や災害時における翻訳作業のあり方についてもお話しいただきました。

災害時のやさしい英語について

  • そのまま翻訳しても、良いコミュニケーションにつながらない例もある。
  • 「やさしい英語」という意識が必要。
  • 英語(外国語)と日本語の併記が大事。(それによって理解できる場合がある。)
  • 発信する側と翻訳する側、コーディネートする側が、外国人のこと、お互いのことを考えることが重要である。これは、自治体、協会等の支援団体、ボランティア、外国人、全てに言えることである。(関係づくりの重要性。)

災害時の翻訳作業について

  • 全てを翻訳する必要はない。(行政文書のような完全翻訳ではない。)
  • 生命に関わる重大な情報を言語、文化、慣習が異なり、災害知識がない人に伝えるという意識を持つことが必要。
  • 共通語である英語については、英語が母語でない人たちに、英語で伝えるということを意識する必要がある。

まとめ

  • 外国人住民の方達は、言葉や習慣の違いもあり、立場が弱い。そんな中で、日本人と外国人住民が支え合えるような企画を考え、多文化共生の社会を作っていく。
  • ある地域では、自主防災会と外国人との防災ワークショップを行っている例がある。地域の日本人にも広めていく中で、地域づくりを行っている。こうした取り組みにより、何かがあったときに外国人も支援者、担い手として育っていき、地域住民となり、多文化パワーが発揮されていく。
  • 外国人との多文化共生から始まった取り組みが、さらに他の日本の地域にも広がっていくようになるかもしれない。
  • 担い手とつなぎ手、中でもつなぎ手が非常に大事である。外国人と地域の人をつなぐ。外国人を地域の住民として受け入れ、全体としてつなぐ。

本訓練の参加の皆さんに、その役割を担っていただければと思う。