大規模災害時外国人支援訓練を実施しました!

公開日 2021.03.31

更新日 2021.03.31

(公財)徳島県国際交流協会(TOPIA)では、徳島県ダイバーシティ推進課との共催で、11月11日(水)、徳島県国際交流協会がある徳島駅クレメントプラザ6階「とくしま国際戦略センター」を拠点に、web会議システム(Zoom)により、南海トラフ巨大地震の発生を想定した、外国人支援訓練を実施しました。訓練には、外国人支援機関、通訳ボランティア、在住外国人等、70人が参加しました。

最初に、(公財)仙台観光国際協会の須藤伸子課長に、ご自身が東日本大震災の発生直後より外国人支援に携わった様子を交えながら、お話しいただきました。その一部を紹介します。

① 災害時に外国人が困ることは、災害に対する知識、経験がなく、ストック情報が足りないことや、日本語の情報が理解できないため、フロー情報が入手できないこと、そして、外国で被災する不安・ストレス。
② そこで、大災害が発生した時に、日本語ができずに行政機関等が発信する情報を得られないなど、外国での被災で不安を抱えている外国人を支援するために、多言語での情報提供や相談対応を通して、「安心」を届けることが大事であること。
③ 災害発生から生活再建までで、支援内容が変化していくこと。
初動対応期(災害発生~避難)
 ・家の中がキケン、初動がわからない
 ・何が起こっているのかわからない、避難場所がわからない
 → 防災知識、災害情報の提供、避難誘導
避難生活期(避難所開設~閉鎖まで)
 ・災害時の支援、情報入手方法がわからない
 ・避難所での過ごし方がわからない
 → 支援情報の提供、避難生活の支援
生活再建期(避難所閉鎖~)
 ・災害時特有の専門的な問題
 ・生活再建に向かう各種相談対応
 →生活再建情報の提供、手続き支援
④ 提供すべき情報内容が、地震直後、2,3日後、1週間後、2週間後、1か月後と変化し、時間が経過するほど情報が複雑化し、翻訳時間がかかること。
⑤ 役割と事前準備
【行政の役割】
・外国人に関わる部署との連携を密にしておき、協会とつなぐ。
・外国人住民のデータを収集、協会に共有。
【協会の役割】
・外国人住民や市民団体とのネットワークをつくる。
・外国人住民の変化やニーズを常に把握しておく。
【ボランティアの役割】
・防災の情報、災害用語などをアップデートしておく。
・災害時に活動できるように自分自身の防災対策をしておく。
⑥ まとめ
多言語での情報提供を手段として、「安心」を届ける。
・言葉や心のサポート
・習慣や文化の違いを理解、文化の通訳
・困っている外国人を支援につなげる
・外国人被災者の声を聞く、届ける
平常時にできていないことは災害時にもできない。
 
続いて、実際の訓練に移り、徳島駅クレメントプラザ6階に「災害時外国人相談センター」を設置し、
① 災害情報を外国人向けにアレンジして多言語に翻訳し提供する訓練
② 市町村等からの要請を受けて、通訳ボランティアを派遣する訓練
③ 被災外国人からの相談に対応するための相談会の訓練
を行いました。
最後に訓練の振り返りをし、多言語表示シートや連絡網などの事前準備の大切さや、日頃から地域での防災訓練に外国人も参加し地域住民と外国人との顔の見える関係づくりをしておくことや、迅速に相談に対応するための多言語のQAづくりなどが課題としてあげられました。
また、日頃から地域の外国人住民とコミュニケーションをとる手段として、「やさしい日本語」(小学校の低学年にもわかるような、簡単な単語を使用し配慮した話し方)を使用することの重要性等についても話がありました。
 
東日本大震災での対応やその教訓についての講演
リモ-トによる相談会の様子